
「ものぐさ」を訪ねてくださったお客様の作品と
梧桐 学の提案を記録しました。
2001年1月、2月
1月22日
ずおさん
エルサルヴァドルで青年海外協力隊に参加しているずおです。
初投稿させていただきますね。
余震の方も治まり、安眠できる日々となりました。
明日より語学訓練も終えていよいよ本格的に活動開始します。
それに先立ってちょっと短歌を作りました。
「友よりの 任務始まる 便り来て
我も明日より 並ぶ開始線」
1月23日
梧桐 学
ずおさんいらっしゃい。「余震の方も収まり、安眠できる日々となりました。」と聞いて安心しました。それにしても、慣れない土地で大変な経験をしましたね。
「友よりの 任務始まる 便り来て 我も明日より 並ぶ開始線」--ずおさん
いよいよ本格的任務が始まるという緊張感が感じられますね。ちょっと手直し・・・・
「我もまた明日から任務に就く身なり既に励める友に遅れて」
健康で、大いに活躍して下さい。
2月10日
相馬 涼香 さん
短歌や川柳は、昔からずっと挑戦してみたいと思っているのですが、
語彙力が無いので、語呂に合う単語をなかなか見つけられないのもこともあり
表現したいものをうまく構成することが出来ず、なかなか作品が作れません。
そこで、一度不定形の詩にしたものを、短歌として再構成してみました。
「流水は 栓を閉じても 流れんと 糸の如くも 滴り落ちる」
短歌に挑戦すると、やはり自分の語彙力の無さを実感します。
より美しく適切に表現できる言葉を研究していきたいと思います。
これからもよろしくお願いします。
http://www.ayame.sakura.ne.jp/~coolcute/
2月11日
梧桐 学
初めての作歌としたら、大したものです。まず、詠む対象が新規性があって新鮮だし、なるほど、常日頃作詩している人だなあと思いました。歌の良さはまず何を詠むかですからネ。また、そこに詩人としての個性が多く現れるから。語彙のことは、勿論多いに越したことありませんが、これは経験とともに獲得できるものですからね。短歌としての節調もそうでしょう。初めから100パーセントの短歌は無理ですから。この調子で沢山作歌されては?
「栓閉じてもせき止められない水道水なお糸となり流れ落ちくる」(原案-相馬涼香さん)
「滴り落ちる」は滴(しずく)となってぽたぽた落ちる様だから、「糸のごとく」とは合い入れないですね。それでちょっと直してみました。
2月12日
相馬 涼香 さん
確かに滴り落ちるとかっておかしいですよね。
「流れ落ちくる」という言い回し、思いつきませんでした、
こういったものは練習していくうちに思いつくようになるものなのでしょうか…?
また新しく作ってみました。
「鳩来たと 癇に任せて 追い払う 後にひらひら 白き羽根舞う」
梧桐 学
まず、嘱目が良いですね。身辺を良く観察し、詩に高めようと常に心掛けていることが分かります。さすが、作詩家です。短歌という形式を自分のものにすれば優れた歌人になりますね、きっと。鳩は平和のシンボルとして日本では大事にされますね。そのせいか、随分数が増えました。鳩の糞公害といいます。ほんと、これに本気で憤慨している人々も多い。成鳥はどうしようもない、卵のうちになんとかしちゃえ、とか、かなり必死で議論したりしています。鳩以外に、からす、烏。鳩とは逆に日本では嫌われもの。(「七つの子」なんてかわいい童謡もありますが・・・?)これも増えましたね‐。特に東京はすごいようです。新宿御苑なんか、あれ全体が烏の巣ですね。行ってみて驚きます。さて、今回の歌ですが・・・
「窓に来し野の鳩をつと追い払うあとに舞うその羽根の白さよ」
(原案=相馬涼香さん)
これは添削というより、別形ですね。原案は初3句がちょっと説明的だから・・・。
「窓に来た野の鳩をつと追い払うあとに舞う白い羽根の哀しさ」
(原案=相馬涼香さん)
ちょっと改訂で〜す。前のままでもいいけれど、「来し」の文語が気になって。これなら、口語定型短歌としてとてもいい作品ですね。もちろん、原案が良かったから・・・。
2月13日
相馬 涼香さん
確かに説明的でした。教えていただくまで気が付きませんでした。
説明的にならないよう状況を伝え、歌にするというのは難しいですがとても魅力的です。
私は、日常身の回りのもの、全て詩になる要素をもっていると思い込んで詩を作っていますが
そこに感性を盛り込むのはなかなか、むずかしいです。いろいろ試行錯誤しています。
今日は、表現したいものが上手く短歌にまとまらず、結局煮詰まってしまいました。
「パチパチと 爪弾く音 心地好く 引退延ばす 古きつめきり」
おぎりさん
「パチパチと 爪弾く音 心地好く 引退延ばす 古きつめきり」
いつものように、主題としては面白いです。なるほど、これを短歌形式に纏めるとなると、ちと難しい?で、上のように「煮詰まった」わけですね。そういう時は何を一番表現したいのか、それをはっきり把握して、それに絞って詠むといいですよ。あれもこれも入れようとすると、短歌という短詩では、まずうまくゆきません。2首に分けるとか、の手もあります。下はあおぎりさんなりの詠み直しです。
「長く伸び艶めいている指の爪いさぎよく今日はパチパチと剪る」
「大切に長く伸ばした指の爪をいさぎよく剪る すこし悲しい」
まあ、気長にやりましょう。歌人としての筋は確かですからね。重荷にならないよう気を付けながら、期待しています。
ゆう子さんから次のクレーム:
「涼香さんの歌は爪切りが古くなったけれど、まだ結構良く切れるので買い替え?を先に伸ばしてるって意味の歌でしょう?かなり意味が違ってきましたね。」
う〜ん。男女の性差・経験の差違からくる感覚の違いが出たかな。「古きつめきり」を古く伸びた爪を剪る、と解釈したのが誤解?しかしあの改作はそれなりにいいよ。記録に留める価値があるよ。改めて:
「幾年も使って馴染んだつめきりで今夜もぱちぱち爪剪っている」
「この古い“つめきり”爪をパチパチとはじく快感まだまだあるわ」
こんなところですね。
2月14日
相馬 涼香さん
やはり短歌は難しいですね、間違いなく内容を伝えるようにしないと…。
一度、表現したいものを別の形で文章にして見える形にしてからの
ほうが今の私には楽なようです。
それで今回は、また、不定形の詩を短歌に再構成してみました。
「物言わぬ 携帯電話の 自己主張 感じていても 気づかないふり」
2月15日
あおぎりさん
「物言わぬ 携帯電話の 自己主張 感じていても 気づかないふり」(相馬涼香さん)−−不定形詩、つまり散文詩からの定型化ということですね。やはり着眼点の新しさはさすが。ただ、第5句「気づかないふり」が誰に対してなのか、何に対してなのかはっきりしないところが残念です。発想、これはこれで面白いですから、これを活かしたいですね。
「掛けたいでしょ?携帯電話の沈黙の甘い誘惑に負けそうだ 今も」
(原案−相馬涼香さん)まあ、こんなところですかね。ちょっと翻意があるかも。
2月16日
相馬 涼香さん
携帯電話のバイブレーター着信の振動を感じても気づかないフリをしてしまう、というのを表現したかったのですが、やはり、短い中に何かを込めていくのは難しいですね。
2月17日
あおぎりさん
「物言わぬ 携帯電話の 自己主張 感じていても 気づかないふり」(相馬涼香さん)
携帯電話のバイブレーター着信の振動を感じても気づかないフリをしてしまう、というのを表現したかったのですが・・・ということで。やはりちょっと違った意味だったわけですね。では、
「携帯電話(けいたい)がまた振動し着信を知らせているが知らんぷりする」
とでもすれば、原意はかなりの程度伝わりますね。今時けいたいと言えば携帯電話のことだから、上のようにルビ振ることで字余りが避けられます(短歌ではよく見掛ける)。
「携帯電話(けいたい)がまた振動し着信を知らせているが知らんぷりする」
これを次のように推敲しました。
「携帯電話(けいたい)がまた着信をバイブするその自己主張がウザイいんだよな」
「携帯電話(けいたい)の着信バイブをポケットに感じつつ今度は気づかないふり」
「携帯電話(けいたい)がまたまた着信バイブもて自己主張する われ知らんぷり」
2月19日
あおぎりさん
ゆう子さん曰く、女性は携帯電話をポケットに入れない(ポケットない)、ハンドバッグに入れている、と。ムムム、難しい・・・・では、
「携帯電話(けいたい)の着信バイブをバッグから感じつつその自己主張いや」
−−(原案相馬涼香さん)
2月22日
あおぎりさん
最終的に次のようにしましたよ。
「背カバンに受信バイブを感じても今はいやだから気付かないふり」
あはは、とうとう携帯電話という文字が消えたけれど、現代の若者ならよく分かるよね。やった−っ、といった思いのあおぎりさんです。たった31シラブル(音節)で、工夫により、短歌としてのリズム・語感を与えた上で、驚くほど多くのことが言えます。涼香さんいかが?
「背カバンに受信バイブを感じても今はだめ だから気付かないふり」
(原案・相馬涼香さん)
またちょっと変えました.「いや」を「だめ」にしただけだけれど,ご本人のその時の気分はこちらに近いと想像するので.このちょっとした変更によっても,歌の雰囲気がかなり変わりますね.これが短歌の面白さであり,また難しさとも言えます.推敲はこのように進むという例にもなっています.
相馬 涼香さん
ポケットに入れることは少ないです。
コートを着ているときはコートのポケットにいれていることもありますが…。
この短歌の元になった詩では、背中のリュックに入れているという設定でした。
毎日1つづつ短歌を作ってはいるのですが、なかなか…。
今日もまたちょっと変な短歌ですが…
「髪の毛を 黒く染めたは いいけれど 不評を受けるも 茶には戻せず」
あおぎりさん
「髪の毛を 黒く染めたは いいけれど 不評を受けるも 茶には戻せず」(相馬涼香さん)茶に戻せない理由がはっきりしないけれど・・・。そう頻繁に髪の毛を染めるのよくないから?しかし、黒い前は「茶ぱつ」だったってこと?あはは。この内容は短歌よりも、俳句の川柳に当たる、狂歌がいいのかも。
「茶も黒もわたし好きなの茶ばつから黒にかえたら皆は「変だ」と」
まあ、こんなところですね。
2月24日
あさひな@初心者
あさひなは全くの初心者です^^;
『鍋パーティー 最後に残った肉団子 こっそりくれた先輩が好き』
きっとその先輩も自分のこと好きだから肉団子くれたんだ、と思うから益々好きになってしまう・・・・という気持ちですね。実話でしょうから、その場面がリアルに思い浮かべらます。素直でいい感じの歌ですね。正に俵万智流短歌です。「肉団子」というなまめいた言葉も効いていますね。プラトニックではない恋愛感情の萌芽・・・・・・?!
『パーティーで鍋に残った肉団子を無言でくれた先輩が好き』